Hatena::Grouprecipe

空想料理館 このページをアンテナに追加 RSSフィード


2013-10-19「チパ」息子が受け継ぐ、パラグアイのかあちゃんの味

「チパ」息子が受け継ぐ、パラグアイのかあちゃんの味

| 10:28 | 「チパ」息子が受け継ぐ、パラグアイのかあちゃんの味 - 空想料理館 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「チパ」息子が受け継ぐ、パラグアイのかあちゃんの味 - 空想料理館

パラグアイの「チパ」は、ブラジルの「ポンデケージョ」とほぼ同じみたいですね♪

 虫の音が聞こえ始めた9月の半ば、私は生まれ育った地、東京・江東区に立っていた。とはいえ、自身のソウルフードを求めてやってきたわけではない。有明の東京ビッグサイトで「JATA旅博2013」なるものが開催されていると聞いたからだ。

 自国の自然や文化などを広くPRするこのイベントには、154の国と地域から大使館や観光局、航空会社、旅行会社などが参加。のべ13万人以上の来場者で賑わったという。かくいう私も、まだ見ぬ新たな国のソウルフードとの出会いを期待して、13万人のうちの一人として足を踏み入れたのだ。

 会場内はアジアやヨーロッパ、アフリカなどの地域に分かれ、その中に国ごとのブースが並んでいる。中・南米ゾーンを訪れた私は、パラグアイブースで振る舞われていた一口サイズの食べ物をひとつもらった。見た目はパンのようだが、もちもちとしていてチーズの味があとを引く。これは何かと尋ねると、ブースの スタッフはにっこり笑って教えてくれた。

 「チパといって、パラグアイ人の大好物なんです」

 パラグアイでは毎日といっていいほど食べられているという、このチパ。スタッフによると、日本でも珍しいパラグアイ料理店がつくったもので、その店は今回の旅博にも出店しているそうだ。

 口に残るチパの風味に引き寄せられるように、人混みをかき分けてフードコートにやってくると、パラグアイ料理店「ユウキレストラン」の屋台には現地の人だと思われる彫りの深い顔をした青年が店番をしていた。パラグアイってスペイン語だよな……と曖昧ながらも「ブエナス・タルデス!」と声をかける。

 「あ、ども。こんちは」

 なんとも流ちょうな日本語ではないか……。驚いた表情を察したのか、青年は話を続ける。「自分、母親がパラグアイ人で父親が日本人のハーフなんすよ。名前は内山貴雄(たかのり)、21歳です。日本生まれの日本育ちで、スペイン語は話せないっす」

 軽快なトークに純和風な名前。気のいいあんちゃんといった風情のイマドキの若者だ。店頭に並ぶチパを指さして、「さっき、ひとついただいたんです」と言うと、「マジっすか!」と声のトーンが上がる。

 「チパはパラグアイでは欠かせない食べ物で、店でも人気なんです。今日もパラグアイの人や大使館スタッフが たくさん買いにきてくれましたよ」

 パラグアイの人々に愛されるチパ。どんな料理なのか、ますます知りたくなった。そこでソウルフードについて尋ね歩いていると言うと、貴雄さんは満面の笑みで教えてくれた。「詳しく聞きたいならかあちゃんがいいと思うけど、今日はここにはいないんです。今度お店にきてください。かあちゃんの作ったパラグアイ料理は最高ですから!」

 後日、千葉県松戸市に店を構える「ユウキレストラン」を訪れると、貴雄さんと母親の内山グラディスさんが笑顔で迎えてくれた。

 店のオーナー兼シェフを務めるグラディスさんは、在日パラグアイ大使館からも料理を頼まれるほどの腕前で、その味を目当てに静岡など遠方から食べにくる パラグアイ人もいれば、店で在日パラグアイ人のパーティーが開かれることもあるという。さっそく、グラディスさんにチパについて尋ねる。

 「朝食によくつくりますよ。パンのようなものだけど小麦粉ではなくマンジョカのでんぷんにチーズや塩を混ぜて焼くんです」とグラディスさん。マンジョカは数千年前から中南米で食べられているイモ類。一般的にはキャッサバといわれ、でんぷんでつくるものとしてはタピオカが有名だ。「パラグアイは肉料 理が中心で、ふかしたマンジョカを肉と一緒に食べます。日本でいうごはんのようなものかな」という。

 

 「パラグアイでは料理は出来たてを食べるんです。つくりおきしないし、残ったものを次の食事で食べることもしない。温かい料理の方が美味しいでしょ」と、グラディスさんはオーブンから取り出した焼きたてのチパをすすめてくれた。

 香ばしいにおいが食欲をそそる。焼きたてのチパは、旅博で食べたものより表面がパリッとしていて中はふんわり。噛むともちもちしているのは、タピオカと同じ原料だからなのか。「これは何個でもいけちゃいますね」と二つ目を手に取りながら言うと、貴雄さんが教えてくれる。

 

 「チパは買って食べたりもします。以前、パラグアイでサッカー観戦をしたんですけど、チパを売り歩く人から買って、食べながら応援するんです。街にも石を投げれば当たるくらいチパの露店がたくさんあるんですよ。素朴なようだけど家ごと、店ごとに味が違う。でも、かあちゃんのチパが一番うまい!」

 三つ目のチパを手に話を聞いていると、「さあ、ソパも焼けたから食べてみて」とグラディスさんの声。「ソパ? チパの兄弟分?」と思いつつ厨房に目をやると、彼女は30cm四方のパンケーキのようなものを切り分けていた。

 「ソパもパラグアイでは欠かせない食べ物なの。週末は必ず家族や友人たちとアサード(バーベキュー)をやるんですが、そのときに大きなソパを焼いてみんなで取り分けて食べるんですよ」

 コーンスターチにチーズ、卵などを入れてつくるこの料理は、正確には「ソパ・パラグアージャ」という。ソパがスペイン語で「スープ」を意味するように、昔、料理人がスープをつくろうとして誤って煮詰めてしまい、固形になったものを味見したら美味しかったことから、つくられるようになったとか。

 実際のソパはふわふわの生地からチーズがとろりと溶け出していて、口に入れると崩れるほどやわらかい。チーズの塩気が先にくるが、舌に残るのは乳製品のやさしい甘み。「パラグアイのコーンスターチでないとこのふんわり感は出ないんです」と、コーンスターチを祖国から取り寄せているというグラディスさん。中米が原産と言われ、5000年前から栽培されているトウモロコシもまたマンジョカ同様によく食べられている。

 「パラグアイの女の子は12~13歳になると母親と一緒にキッチンに立って料理を覚えます。そうやって母の味を受け継いでいくんですが、最初に覚えるのがこのチパとソパ。私の母親は去年亡くなりました。でも、こうやってキッチンに立ってチパやソパをつくっていると母のことが身近に感じられます」

 グラディスさんはそう言って、パラグアイの国民的飲料テレレ(マテ茶)を出してくれた。「私には娘がいないので日本に来てからはずっと一人で料理してきたけど、お店を開くことになったら貴雄が料理を覚えるって言ってくれて。料理を教えていると私もつい厳しく言ってしまうので息子とケンカすることも多いですが、我が家の味を継いでくれると思うとやっぱり嬉しいですね」

 

 実は、店を開くまでパラグアイに行ったことがなく、料理もあまり食べなかったという貴雄さん。

 「たぶん、心のどこかで反発していたんです。生まれ育ったのは日本だから。でも店を手伝うようになって気持ちがかわった。そこで料理の勉強も兼ねてパラグアイに行ったんです。そうしたら空港に降り立った瞬間、なぜか涙が出て止まらなかった。初めて来たとは思えない懐かしさを感じたんです」。このとき、貴雄さんはパラグアイへの郷土愛を自覚したという。

 二人で店を切り盛りしているため、「接客が忙しくて、料理の腕がなかなか上達しない」と苦笑いしながらも、いつかは跡を継ぎたいと貴雄さんは語る。「それなら次は、貴雄さんがつくったチパやソパを食べにきますよ」と、「かあちゃんの味」を受け継ぐ日を楽しみに店を後にした。

(文=中川明紀)

ユウキレストラン

千葉県松戸市仲井町3-111-102 高橋ビル 1F

電話:047-701-5811

ナショナル ジオグラフィック日本版 10月16日(水)17時29分配信

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131016-00010000-nknatiogeo-s_ame&p=3

チパの自作レシピをチェックしてみました☆

「チパ」(Chipa)の作り方

「チパ」(chipa)というチーズパンをご存知ですか?ピンポン玉くらいの大きさで、外はカリッとしていて、中はもちもちっとした食感のパンです。

もともとはパラグアイが原産なのですが、パンなのにイースト菌を一切使わないので、暑いところでも保存が効くことから、20世紀中頃には南米全土に広まって行きました。アルゼンチンではそのままチパ、または「チパシート」(chipacito)と呼ばれ、ブラジルでは「ポン・デ・ケージョ」(Pao de Queijo)と呼ばれています(使われる材料はやや異なるようです)。

そのチパ、発酵させる必要がないので作り方は至って簡単なのですが、本格的に作ろうとすると、タピオカ・スターチやらパルメザンチーズ、サルドチーズなどなど、いろんな材料を買い揃えなければいけません。

材料(8個分)

  • 卵 1個
  • 溶かしバター 小さじ3
  • 牛乳 2/3カップ
  • タピオカスターチ 1・3/4
  • おろしたチーズ(モッツァレラ中心にパルメザン、チェダー、フェタをブレンド) 170グラム
  • 小麦粉 1カップ
作り方
  1. オーブンを175℃に温めておく。
  2. 卵、チーズ、牛乳、バターを大きめのボウルで混ぜておく。そこにタピオカスターチと小麦粉を入れてよく混ぜる。打ち粉を振ったうえで捏ねて、ゴルフボール大に丸めたものをベイキングシートの上に並べる。
  3. 予熱したオーブンで10~15分間、焼き色がつくまで焼き上げる。
allrecipes.comより

http://allrecipes.com/recipe/chipas-argentinean-cheese-bread/

ポルテーニョな毎日 ―ブエノスアイレスの紹介― さんのブログより

http://precious31.exblog.jp/5943149

外はカリっと中はモチモチの秘訣は、キャッサバ粉タピオカスターチ)がポイントのようですね☆

空想料理館